茹でたワタリガニは、腹側のふんどしを開き、甲羅を外してからエラを取り除き、胴体・脚・爪に分けると食べやすくなります。食べられる主な部位は、胴肉、脚肉、爪肉、カニ味噌、内子、外子です。
ワタリガニは脚が細く、見た目だけでは「食べるところが少ない」と感じることがあります。しかし、脚の付け根に近い胴体にも身が入っているため、甲羅を外して胴体を分けることが大切です。
この記事では、茹で上がったワタリガニを対象に、甲羅の外し方、エラの取り方、胴・脚・爪のむき方、食べられる部位を順番に解説します。まだ加熱していない場合は、先にワタリガニの茹で方を確認してください。

先に結論
ワタリガニは、甲羅を外した後にエラを取り除き、胴体を分けてから脚と爪をむきます。脚だけでなく、胴体の仕切りの間にある身や、甲羅内のカニ味噌、内子・外子も確認しましょう。
ワタリガニの食べ方は甲羅・エラ・胴体・脚の順

茹でたワタリガニは、次の順番で解体すると、甲羅の中身や胴肉を確認しながら食べ進められます。

- 腹側を上にして、ふんどしを開く
- 胴体から甲羅を外す
- 胴体の左右に付いているエラを取り除く
- 胴体を半分または4つに分ける
- 脚と爪を関節から外す
- 胴肉・脚肉・爪肉を取り出す
- カニ味噌や内子・外子を確認して食べる
ワタリガニの部位が分かりにくい場合は、カニの部位名称一覧も参考になります。
| 部位 | 食べ方の目安 | 主な処理 |
|---|---|---|
| 胴肉 | 食べられる | 胴体を分け、仕切りの間から身を取り出す |
| 脚肉 | 食べられる | 関節で分け、殻に切れ目を入れる |
| 爪肉 | 食べられる | 硬い殻を割るか、はさみで切り開く |
| カニ味噌 | 食べられる | 甲羅内や胴体側からスプーンなどですくう |
| 内子 | 食べられる | 胴体や甲羅側に残った部分を取り分ける |
| 外子 | 食べられる | 腹側に付いている卵を取り分ける |
| エラ | 通常は食べない | 胴体の左右から取り除く |
| 甲羅・硬い殻 | そのままでは食べない | 身やカニ味噌と分ける |
ワタリガニをさばく前に用意するもの
ワタリガニは手だけでもある程度分けられますが、殻や爪が硬いため、キッチンばさみを用意すると作業しやすくなります。
準備のポイント
- ✓ 身、カニ味噌、殻を分ける皿を用意する
- ✓ 殻を切る前に、カニが手で持てる温度か確認する
- ✓ 濡れた殻はキッチンペーパーで押さえる
- ✓ 固い部分を無理に手で割らず、キッチンばさみを使う
- キッチンばさみ
- カニフォーク、細い箸または竹串
- カニ味噌や身を入れる皿
- 殻を入れる皿やボウル
- 手やテーブルを拭くキッチンペーパー
- 必要に応じて調理用手袋
茹でた直後は甲羅や内部が熱くなっています。手で持てる温度まで少し落ち着かせてから作業してください。ただし、長時間室温に置いたままにせず、食べない分は商品表示や販売元の案内に従って保管します。
ワタリガニのさばき方
1.腹側を上にしてふんどしを開く

ワタリガニを裏返し、腹側を上にして置きます。腹側の中央にある三角形または丸みのあるふた状の部分が、一般に「ふんどし」と呼ばれる部位です。
ふんどしの先端に指をかけ、甲羅から離すように持ち上げます。殻の縁や脚の付け根には尖った部分があるため、滑らないようにゆっくり作業してください。
ふんどしが固くて開きにくい場合は、キッチンばさみやスプーンの柄を差し込み、少しずつ浮かせます。無理に引っ張ると殻が割れたり、汁が飛び散ったりすることがあります。
2.胴体から甲羅を外す

ふんどしを開いたら、胴体と甲羅の間に指を入れます。脚が付いている胴体側を持ち、甲羅を残すようにして、ゆっくり引き離してください。
甲羅の中には、カニ味噌や卵の一部が残っていることがあります。すぐに甲羅を伏せたり捨てたりせず、中身を確認できる向きで皿に置きます。
勢いよく甲羅を外すと、カニ味噌や汁がこぼれやすくなります。甲羅を受け皿のように下側へ残し、胴体を持ち上げるように外すと扱いやすくなります。
3.胴体の左右にあるエラを取り除く

甲羅を外すと、胴体の左右に灰色や薄い褐色をした、ひだ状またはスポンジ状の部位が見えます。これがカニのエラです。
エラは一般に食用部位として扱わないため、付け根をつまみ、左右とも取り除きます。手で外しにくい場合は、キッチンばさみで付け根を切ってください。
カニ味噌や身とエラが混ざらないよう、エラを先に除いておくと、その後の作業がしやすくなります。エラの位置や扱いを詳しく知りたい場合は、カニのエラは食べられるかを解説した記事をご覧ください。
4.胴体を半分または4つに分ける

エラを外したら、胴体の中央から左右に分けます。大きい個体は、さらに上下または脚の並びに沿って切り分けると、胴肉を取り出しやすくなります。
手で折り分けられない場合は、胴体の中央にキッチンばさみを入れて切ります。包丁を使う場合は、殻の上で刃が滑らないよう十分に注意してください。
胴体には複数の仕切りがあり、その間に白い身が入っています。脚だけを食べて終わりにせず、切断面や脚の付け根も確認しましょう。
5.脚と爪を関節から切り離す
脚と爪は、胴体との付け根にある関節から外します。手でひねって外せる場合もありますが、固いときはキッチンばさみを使います。
脚を無理に途中で折ると、身が殻の中に残りやすくなります。まず関節ごとに分けてから、殻へ切れ目を入れてください。
ワタリガニの胴・脚・爪のむき方

胴肉は仕切りの間から取り出す

胴肉は、脚の付け根が集まっている部分の内側に入っています。胴体を半分または4つに分けた切断面を見ると、白い身が入った小さな空間が並んでいます。
カニフォークや細い箸を差し込み、仕切りに沿って身をかき出します。身を一度に引き抜こうとせず、空間ごとに少しずつ取り出すのがポイントです。
脚が細いワタリガニでも、胴体には身が残っていることがあります。「食べるところがない」と感じた場合は、脚の付け根付近や胴体の奥を確認してください。
脚肉は殻のやわらかい側に切れ目を入れる

脚は関節ごとに分け、殻の比較的平らで切りやすい側へキッチンばさみを入れます。殻を縦方向に切り開くと、中の身を取り出しやすくなります。
細い脚は、関節の端を切り落としたうえで、細い箸や竹串で身を押し出す方法もあります。強く押しすぎると身がつぶれるため、少しずつ動かしてください。
殻の切り口は鋭くなることがあります。切り開いた殻を手で広げるときは、指先を傷つけないよう注意します。
爪肉は殻を割るか、はさみで切り開く

爪は脚より殻が厚いため、関節部分を外してから処理します。キッチンばさみが入る場合は、殻の縁や内側から切れ目を入れて開きます。
はさみが入らないほど硬い場合は、布巾やキッチンペーパーで爪を包み、殻を少しずつ割ります。強くたたくと殻が細かく砕けて身に混ざるため、必要以上の力を加えないでください。
殻を開いた後は、薄い殻の破片が身に付いていないか確認してから食べます。
ワタリガニの食べられる部位と食べない部位
胴肉・脚肉・爪肉
ワタリガニの白い身は、胴体、脚、爪に入っています。脚が細いため、ズワイガニやタラバガニのように長い身をまとめて取り出せない場合があります。
とくに胴肉は小さな仕切りの中に分かれているため、カニフォークや箸を使って少しずつ取り出します。脚の付け根側から確認すると、身を見つけやすくなります。
カニ味噌

甲羅の中や胴体側に残る、やわらかいペースト状の部分がカニ味噌です。甲羅に残したままスプーンですくうほか、取り出した胴肉と合わせて食べる方法があります。
甲羅内には汁やほかの内容物も残るため、すべてをカニ味噌と決めつけず、エラや硬い部位を取り除いてから食べます。
通常と異なる強いにおい、粘り、保存状態への不安がある場合は、見た目だけで安全と判断せず、無理に食べないでください。
内子・外子

メスのワタリガニでは、胴体や甲羅の内側に内子、腹側のふんどし周辺に外子が見つかることがあります。すべての個体に付いているわけではありません。
内子は胴体や甲羅の内側にある卵巣で、外子は腹側に抱えている卵です。十分に加熱され、保存状態などに問題がないことを確認できるものは、一般に食用にされます。
内子や外子の色は、個体や卵の発達段階などによって異なることがあります。色だけで腐敗や安全性を断定せず、におい、保存状況、加熱状態も含めて確認してください。
それぞれの位置や違いを詳しく確認したい場合は、カニの内子・外子とは何かを解説した記事をご覧ください。
エラ・硬い殻・口周辺の硬い部分
胴体の左右に付いているエラは取り除きます。エラは毒がある部位という意味ではなく、一般に食用部分として扱わない部位です。
甲羅や脚の硬い殻も、そのまま食べる部分ではありません。身と殻を分け、殻の破片が口に入らないようにします。
甲羅の口側にある硬い部位や、食用部位か判断できない袋状の部分があれば、無理に食べず取り除いてください。
ワタリガニは食べるところがないように見えることがある
ワタリガニは横に広い甲羅を持つ一方、歩脚は比較的細いため、脚だけを見ると身が少なく感じられることがあります。
食べられる身は、太い爪だけでなく、脚の付け根が集まる胴体にも入っています。甲羅を外した後、胴体を半分または4つに分け、内部の白い身を確認してください。
小さい個体は、脚の身を一本ずつ取り出すより、胴肉を中心に食べたほうが進めやすい場合があります。細い脚に身がほとんど残っていない場合でも、胴体の仕切りの間に身が残っていることがあります。
食べ終わった殻には、カニの風味が残っています。料理へ利用する場合は、エラなどを取り除き、殻の汚れや保存状態を確認したうえで使ってください。ただし、本記事ではレシピではなく、茹でたワタリガニの直接的な食べ方を中心に説明しています。
ワタリガニを食べるときの注意点

食べる前に確認
- ! 生や加熱状態が分からないものを、そのまま食べない
- ! 強いにおいや保存状態への不安がある場合は、無理に食べない
- ! エラや硬い殻を身と分ける
- ! 取り出した身に殻の破片が混ざっていないか確認する
殻や爪で手を傷つけない
ワタリガニの甲羅の縁や爪は尖っています。殻が濡れていると滑りやすいため、キッチンペーパーで押さえながら作業すると安定します。
硬い殻を無理に手で割らず、キッチンばさみを使用してください。子どもや高齢者へ出す場合は、殻の破片をできるだけ取り除いてから盛り付けます。
十分に加熱されたものを食べる
この記事は、適切に茹でたワタリガニを前提としています。生のものや加熱状態が分からないものを、自己判断でそのまま食べないでください。
中心まで加熱できているか分からない場合や、購入した商品の調理方法が指定されている場合は、販売元の表示や案内を優先します。
異臭や保存状態に不安があるものは食べない
通常と異なる強いにおいがする、長時間常温に置かれていた、保存方法が分からないなど、品質に不安がある場合は食べない判断が必要です。
甲羅の色や卵の色だけでは、食べられる状態かどうかを判断できません。加熱前後の保存状況、におい、身の状態を含めて確認してください。
殻の破片を取り除く

キッチンばさみや道具で殻を割ると、細かな破片が身に付くことがあります。取り出した身を皿に移す際は、殻が混ざっていないか確認してから食べます。
ワタリガニの食べ方はエラを外して胴肉まで確認しよう
茹でたワタリガニは、腹側のふんどしを開き、甲羅を外してからエラを取り除きます。その後、胴体を半分または4つに分け、脚と爪を関節から外すと食べやすくなります。
主に食べられる部位は、胴肉、脚肉、爪肉、カニ味噌、内子、外子です。エラや硬い殻は取り除きます。
ワタリガニは脚が細いため、食べるところが少ないように見えることがありますが、脚の付け根に近い胴体にも身が入っています。甲羅を外した後は、胴体の仕切りの間まで確認してみてください。
殻や爪で手を傷つけないよう、キッチンばさみやカニフォークを使い、加熱状態や保存状態に不安があるものは無理に食べないことが大切です。


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