カニの甲羅を外したとき、胴体の左右に並んでいる白っぽい、または灰色がかったひだ状の部分がエラです。カニのエラは「ガニ」とも呼ばれ、一般には食用にせず、食べる前に取り除きます。
ただし、エラの周囲には食べられる肩肉があります。甲羅の中をすべて捨てるのではなく、エラだけを根元から外すことが大切です。
この記事では、カニのエラがある場所、食べないほうがよい理由、エラの取り方、カニ味噌や肩肉との見分け方を解説します。誤って食べてしまった場合や、黒いもの・虫のようなものが付いている場合の考え方も確認できます。

先に結論
- カニのエラは「ガニ」とも呼ばれ、一般には食用にせず取り除きます。
- 甲羅を外した胴体の左右にある、ひだ状の部分が目印です。
- 周囲の肩肉は食べられるため、エラと一緒に捨てないようにします。
カニのエラは食べられる?一般には取り除く部位

カニのエラは、一般には食べる部位として扱わず、甲羅を外した後に取り除きます。
エラはカニが呼吸するための器官で、胴体の左右にひだが重なったような形で並んでいます。食感がよい部分ではなく、砂などを含んでいる場合もあるため、身やカニ味噌とは分けて扱います。
| 確認項目 | 結論 |
|---|---|
| 部位名 | エラ。通称「ガニ」 |
| 場所 | 甲羅を外した胴体の左右 |
| 見た目 | 複数のひだが重なったような形 |
| 食べられるか | 一般には食用にせず取り除く |
| 取り方 | 根元を持ち、左右のエラだけを外す |
| 注意点 | 周囲にある肩肉まで捨てない |
「食べない部位」と聞くと、毒があるのではないかと心配になるかもしれません。しかし、食用に向かないことと、毒があることは同じではありません。理由を分けて考える必要があります。
カニのエラ「ガニ」はどこにある?

甲羅を外した胴体の左右にある
カニのエラは、甲羅の中に隠れています。外側からは見えにくく、ふんどしを外して甲羅を開くと、胴体の左右にひだ状の部分が現れます。
種類や加熱状態によって、白っぽい、灰色、薄茶色などに見えることがあります。色だけで判断するのではなく、次の特徴を目印にしてください。
- 胴体の左右にまとまって付いている
- 薄いひだが何枚も重なったように見える
- 脚の付け根に近い位置にある
- 柔らかい身ではなく、スポンジや羽根のような形をしている
カニの脚・爪・肩肉・ふんどしなど、ほかの部位も含めて位置を確認したい場合は、カニの部位名称一覧で整理しています。
エラはカニが呼吸するための器官
カニはエラを使って酸素を取り込みます。海中や水中にいる種類だけでなく、陸上で活動するカニにもエラがあります。
エラの詳しい構造や、カニが水中と陸上でどのように呼吸するかは生態に関する別のテーマです。本記事では、食べる際に見分けて取り除くために必要な範囲に絞ります。
エラとカニ味噌・肩肉・胃袋の違い

甲羅を外した直後は、エラ、肩肉、カニ味噌などが近い位置にあるため、どこまで捨てればよいのか迷いやすくなります。
特に注意したいのが、エラの周囲にある肩肉です。肩肉は脚の付け根につながる食べられる身なので、エラと一緒に取り除かないようにします。

見分けのポイント:左右に並ぶひだ状の部分がエラです。繊維のある身が詰まった肩肉や、ペースト状のカニ味噌とは、形と質感が異なります。
| 部位 | 主な位置・見た目 | 基本的な扱い |
|---|---|---|
| エラ | 胴体の左右にある、ひだ状の部分 | 取り除く |
| 肩肉 | 脚の付け根周辺に詰まっている身 | 食べられる |
| カニ味噌 | 甲羅や胴体の内部にある、ペースト状または固まった内容物 | 種類や商品の状態を確認して食べる |
| 胃袋 | 口に近い側にある袋状の器官 | 一般には取り除く |
エラは、カニ味噌のようなペースト状ではありません。また、肩肉のように繊維のある身が詰まっているわけでもありません。左右に並ぶひだ状の形を目印にすると区別しやすくなります。
カニ味噌や内臓の見た目は、カニの種類、加熱状態、冷凍・解凍の状態によって変わります。見た目に異常を感じる場合は、エラかどうかだけでなく、商品の表示や販売店の案内も確認してください。
カニのエラを食べないほうがよい理由

砂などを含んでいる場合がある
エラは、水を通しながら呼吸するための器官です。そのため、カニがいた環境によっては、エラの間に砂などが入り込んでいる場合があります。
身のように食べることを前提とした部位ではないため、甲羅を開いたら取り除くのが基本です。
食感がよくなく、食用部位として扱われていない
カニのエラは、薄いひだが何枚も重なった構造です。脚肉や肩肉のような食感や食べ応えはなく、通常は可食部に含めません。
エラを取り除く目的は、胴体の中にある肩肉やカニ味噌を食べやすくすることでもあります。エラを外してから胴体を分けると、脚の付け根にある身を確認しやすくなります。
「エラには毒がある」とは限らない
カニのエラについて、「毒があるから食べられない」と説明されることがあります。しかし、一般的な食用ガニのエラを、すべて毒のある部位と断定するのは適切ではありません。
食用にしない主な理由は、エラが呼吸器官であり、砂などを含む場合があることや、食感がよくないことです。カニの種類、鮮度、保存状態、加熱状態による食品全体の安全性とは分けて考えてください。
なお、自然に捕ったカニや種類が分からないカニは、一般に販売されている食用ガニと同じようには判断できません。種類を特定できないものは、自己判断で食べないほうが安全です。
「カニは食ってもガニ食うな」とは
「カニは食ってもガニ食うな」という言葉の「ガニ」は、カニのエラを指します。
カニの身は食べても、エラは取り除くという意味で使われる言葉です。地域によって言い方が異なる場合がありますが、カニとは別の生物を指しているわけではありません。
カニのエラの取り方

エラは、甲羅を外した後に手で取り除けます。作業中は殻のとがった部分で手を傷つけないよう、必要に応じてキッチンばさみや手袋を使用してください。

- ふんどしを外す
カニを裏返し、腹側にあるふんどしを起こして外します。 - 甲羅を開く
ふんどしを外した側に指をかけ、胴体から甲羅をゆっくり持ち上げます。カニ味噌が甲羅側に残る場合があるため、急に傾けないようにします。 - 左右のエラを確認する
胴体の両側に並んでいる、ひだ状の部分を探します。 - エラの根元を持つ
ひだの先端だけではなく、胴体に付いている根元付近を持ちます。 - 左右のエラを取り除く
肩肉を押さえながら、エラだけを外します。取りにくい場合は、キッチンばさみで付け根を切ります。 - 肩肉が残っているか確認する
脚の付け根に詰まっている身まで取っていないか確認します。
エラの形や付き方には多少の個体差があります。力任せに引っ張ると肩肉が崩れることがあるため、境目を確認しながら外してください。
エラを水で洗い流す必要はある?
エラを外した後、砂や汚れが残っている場合は、その部分を必要に応じて流水で軽く洗います。ただし、ボイル済みのカニを長時間水にさらすと、身やカニ味噌の風味が損なわれることがあります。
全体を水に浸けるのではなく、気になる部分だけを短時間で処理するのが基本です。商品に食べ方や解凍後の扱いが記載されている場合は、販売店の案内を優先してください。
生カニとボイル済みカニで場所は変わらない
生カニでもボイル済みカニでも、エラがある基本的な位置は同じです。ただし、生カニは加熱前の衛生管理が必要であり、ボイル済み冷凍カニは解凍方法によって食感が変わります。
生のカニをこれから加熱する場合は、エラの処理だけでなく、種類や大きさに合った加熱方法を確認してください。詳しくは、生カニの茹で方で塩分や茹で時間を解説しています。
ワタリガニのエラも取り除く
ワタリガニにも、甲羅を外した胴体の左右にエラがあります。食べる際は、ほかの食用ガニと同様にエラを取り除きます。
ワタリガニは、エラの近くに肩肉があるほか、メスでは内子や外子が確認できる場合があります。エラだけを外し、食べられる部分と分けてください。
甲羅の外し方から内子・外子・カニ味噌の食べ方まで確認したい場合は、ワタリガニの食べ方をご覧ください。
カニのエラを食べてしまった場合
エラを少量口にしたからといって、必ず体調不良が起きるとは限りません。まずは慌てず、食べたカニの種類、鮮度、保存状態、加熱状態、食べた量を確認してください。
ただし、「エラだから問題が起きたのか」「カニ全体の保存状態や加熱状態に問題があったのか」は、見た目だけでは判断できません。体調に異常がないか注意して過ごしてください。
食べてしまったときの注意点
- 食べた量、加熱状態、保存状態を確認する
- 体調に異常がないか注意する
- 症状が現れた場合は、自己判断を続けず医療機関へ相談する
腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、じんましんなどの異常が現れた場合は、自己判断で済ませず医療機関へ相談してください。呼吸が苦しい、意識がもうろうとするなど強い症状がある場合は、救急要請を検討してください。
受診するときは、次の情報を伝えられるようにしておくと状況を説明しやすくなります。
- カニを食べた時刻
- 生、加熱済み、解凍品などの状態
- 食べた量
- カニの種類や商品名
- 保存方法と保存時間
- 一緒に食べた人にも症状があるか
- 現れている症状と始まった時刻
食べ残しや商品の包装がある場合は、すぐに処分せず、商品名や販売元を確認できる状態にしておきましょう。
エラが黒い・虫のようなものが付いている場合
黒いだけで腐敗とは断定できない
カニのエラが黒っぽく見える場合がありますが、色だけで腐敗や毒の有無を判断することはできません。カニの種類、個体差、加熱状態、付着している砂や汚れなどによって見え方が変わるためです。
一方で、次のような異常がある場合は、無理に食べないでください。
- 通常とは異なる強い腐敗臭がある
- 身や内臓が不自然に崩れている
- 商品全体に強いぬめりや異常な変色がある
- 冷凍品が長時間常温に置かれていた
- 保存方法や消費期限を確認できない
購入品に異常を感じた場合は、食べる前に写真、商品名、賞味期限、ロット番号などを確認し、販売店や製造者へ問い合わせて確認しましょう。
付着物を見た目だけで寄生虫と決めつけない
エラに小さな虫のようなものが付いていると、寄生虫ではないかと不安になることがあります。ガザミなどのエラには、カニエラエボシと呼ばれる小型の甲殻類が付着する例もあります。
ただし、一般の人が写真や見た目だけで付着物の種類や安全性を判断するのは困難です。正体が分からないものが大量に付いている場合や、商品全体に異常を感じる場合は、自己判断で食べず販売店へ確認してください。
また、サワガニやモクズガニなど淡水に生息するカニの寄生虫に関する注意を、すべての海産ガニへそのまま当てはめることはできません。カニの種類と調理方法を分けて考える必要があります。
エラを取った後に食べられる部分

エラを取り除いた後も、胴体には脚の付け根につながる肩肉が残っています。肩肉は殻に囲まれていて取り出しにくいものの、食べられる身です。
エラを外した後は、胴体を左右または食べやすい大きさに分け、殻の間から肩肉を取り出します。キッチンばさみで殻に切れ目を入れると、身を確認しやすくなります。
ボイル済みカニの解凍方法、甲羅の外し方、脚や肩肉のむき方を続けて確認したい場合は、ボイルカニの食べ方で手順をまとめています。
なお、甲羅の中にあるものをすべて食べられるとは限りません。エラのほか、胃袋など一般に取り除く部位もあります。食べられる部分と食べない部分を区別してから、身を取り出してください。
カニのエラに関連する記事
- カニの部位名称一覧|脚・爪・肩肉・ふんどし・エラを図解
- 生カニの茹で方|塩分・時間・水から入れるかを種類別に解説
- ワタリガニの食べ方|さばき方・むき方・食べられる部位
- ボイルカニの食べ方|解凍・むき方・食べられる部位を解説
カニのエラは肩肉を残して取り除こう
カニのエラは、甲羅を外した胴体の左右にある、ひだ状の部分です。「ガニ」とも呼ばれ、一般には食用にせず取り除きます。
エラを外すときは、脚の付け根にある肩肉まで一緒に捨てないよう注意してください。エラはひだ状、肩肉は殻の中に詰まった繊維のある身という違いがあります。
「エラには必ず毒がある」と決めつけるのではなく、食用に向かない器官として取り除くと理解するのが適切です。ただし、カニの鮮度、保存状態、加熱状態に問題がある場合は、エラ以外の部分にも注意が必要です。
誤って食べて体調に異常が現れた場合や、見慣れない付着物・異臭・不自然な変色がある場合は、無理に自己判断せず、医療機関、販売店、製造者などへ相談してください。


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