【タラバガニはカニではない?】ヤドカリの仲間といわれる理由

タラバガニが分類上ヤドカリ類に近いことを示すアイキャッチ図解 カニ通販

「タラバガニはカニではなく、ヤドカリの仲間」と聞いて驚いたことはないでしょうか。

結論からいうと、タラバガニは生物分類上、ズワイガニや毛ガニなどの一般的なカニとは別のグループに属し、ヤドカリ類に近い仲間です。ただし、「偽物のカニ」という意味ではありません。食材としては一般にタラバガニという名前で流通しており、生物分類と一般的な呼び名は分けて考える必要があります。

タラバガニがヤドカリの仲間といわれる理由は、分類だけでなく、脚のつき方や体の構造にも表れています。

先に結論

「タラバガニはカニではない」とは、食材としてカニではないという意味ではなく、生物分類上、一般的なカニとは別のグループに属するという意味です。ヤドカリ類に近いことだけを理由に、偽物のカニや品質の劣る食材と考える必要はありません。

疑問 結論
タラバガニはカニ? 食材としてはカニと呼ばれますが、生物分類上は一般的なカニとは別のグループです
何の仲間? 異尾下目に属するヤドカリ類に近い仲間です
足は8本? ハサミを含めて5対ありますが、最後の1対が小さく見えにくいため8本に見えます
クモの仲間? クモの仲間ではありません
ヤドカリなら貝殻を背負う? タラバガニは一般的なヤドカリのように貝殻を背負って生活しません

この記事では、タラバガニがなぜヤドカリの仲間といわれるのかを、一般的なカニとの違いや足の本数から分かりやすく解説します。

タラバガニはカニではなくヤドカリの仲間?

タラバガニと一般的なカニの生物分類の分かれ方を示した図解

タラバガニを「カニではない」と説明する場合、正確には「一般的なカニとは生物分類上のグループが異なる」という意味です。

タラバガニもズワイガニも、どちらも甲殻類で十脚目に属しています。しかし、そこからさらに細かく分類すると違いが出てきます。

  • タラバガニ:異尾下目に属するタラバガニ科
  • ズワイガニなど一般的なカニ:短尾下目

異尾下目にはヤドカリ類が含まれるため、タラバガニは「ヤドカリの仲間」と説明されます。

一方、私たちが普段「カニ」と聞いて思い浮かべるズワイガニや毛ガニなどは、主に短尾下目に分類されます。

カニの種類ごとの特徴をまとめて確認したい場合は、以下の記事で比較できます。

食材としてタラバガニを「カニ」と呼ぶのはおかしくない

生物分類上はヤドカリ類に近いからといって、「タラバガニ」という名前が間違っているわけではありません。

生き物の一般的な呼び名と、分類学上のグループは必ずしも一致しません。タラバガニは見た目が大きなカニに似ており、食材としても「カニ」の一種として広く扱われています。

そのため、

  • 生物分類上ではヤドカリ類に近い
  • 一般名称・食材名ではタラバガニと呼ばれる

という2つを分けて考えると分かりやすいでしょう。

「ヤドカリの仲間だから偽物のカニ」「カニとして売るのは間違い」と考える必要はありません。また、ヤドカリ類に近いという分類上の事実だけで、味や品質の良し悪しが決まるわけでもありません。

タラバガニがヤドカリの仲間といわれる理由

タラバガニは見た目だけを見ると、大きなカニのように見えます。それでもヤドカリ類に近い仲間とされるのは、体の構造に一般的なカニとの違いがあるためです。

特に分かりやすいのが、脚の見え方と腹部などの体のつくりです。

脚が8本しかないように見える

一般的なカニを見ると、左右にハサミ脚が1対、その後ろに歩くための脚が4対あり、合計5対の脚が確認できます。

ところがタラバガニは、外から見るとハサミを含めて4対、つまり8本しかないように見えます。

これは本当に脚が2本少ないわけではありません。最後の1対の脚が小さく、甲羅の内側に隠れるような位置にあるため、外から見えにくいのです。

この特徴は、タラバガニが一般的なカニとは異なる体のつくりを持っていることを理解するうえで分かりやすいポイントです。

カニの脚をどこまで「1本」と数えるのか、タラバガニが8本・10本のどちらと説明されることがあるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

一般的なカニとは腹部や脚の構造が違う

タラバガニと一般的なカニでは、外から見える脚の本数だけでなく、腹部や脚の構造にも違いがあります。

一般的なカニは、腹部が小さく折りたたまれて体の下面に収まった形をしています。一方、タラバガニはヤドカリ類との共通点を残した体の構造を持っています。

見た目だけでは非常によく似ていても、生物を分類するときには、脚のつき方や腹部など複数の特徴が判断材料になります。

つまり、「カニそっくりだから同じカニの仲間」とは限らないわけです。

タラバガニと一般的なカニの違い

タラバガニと一般的なカニの脚の見え方と構造を比較した図解

タラバガニと、ズワイガニに代表される一般的なカニの違いを簡単に整理すると、次のようになります。

比較のポイント

両方とも甲殻類・十脚目ですが、さらに細かく分類すると、タラバガニは異尾下目、ズワイガニなど一般的なカニは短尾下目に分かれます。見た目だけでなく、分類と脚の構造を分けて見ると違いを理解しやすくなります。

比較項目 タラバガニ 一般的なカニの例
代表例 タラバガニ ズワイガニなど
大きな分類 どちらも甲殻類・十脚目 どちらも甲殻類・十脚目
さらに細かな分類 異尾下目 短尾下目
近い仲間 ヤドカリ類 いわゆる一般的なカニ類
外から見える脚 8本に見えやすい 10本確認しやすい
最後の1対の脚 小さく見えにくい 歩脚として外から確認しやすい
一般的な呼び方 カニとして扱われる カニとして扱われる

この違いを見ると、「タラバガニはカニではない」という言葉だけを覚えるよりも、同じ十脚目ではあるものの、途中から別のグループへ分かれていると理解するほうが正確です。

  • ✓ 大きな分類では、どちらも甲殻類・十脚目
  • ✓ タラバガニは異尾下目、一般的なカニは短尾下目
  • ✓ タラバガニは最後の1対の脚が小さく、8本に見えやすい
  • ✓ 食材としては、どちらも一般にカニとして扱われる

ズワイガニはヤドカリの仲間ではない

「タラバガニがヤドカリなら、ズワイガニもヤドカリなのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。

ズワイガニはタラバガニとは異なり、短尾下目に属する一般的なカニの仲間です。

タラバガニとズワイガニは、見た目だけでなく、身の太さや食感、味、価格、食べやすさにも違いがあります。ただし、それらは生物分類とは別の購入判断になるため、本記事では詳しく扱いません。

食べるカニとしてどちらを選ぶか迷っている場合は、以下の記事で比較しています。

タラバガニはクモの仲間ではない

「タラバガニ クモ」という検索もありますが、タラバガニはクモの仲間ではありません。

タラバガニとクモには、どちらも節足動物で脚が複数あるという大きな共通点があります。しかし、その先の分類は異なります。

  • タラバガニ:甲殻類
  • クモ:鋏角類

そのため、「脚が多い」「硬そうな外見をしている」という見た目だけでクモの仲間と考えるのは適切ではありません。

タラバガニを理解するときは、クモに近い生き物というより、甲殻類のなかでヤドカリ類に近い生き物と考えると分かりやすいでしょう。

ヤドカリの仲間なのになぜ貝殻を背負わない?

ヤドカリと聞くと、巻き貝の殻に入って歩いている姿を想像する人が多いでしょう。

しかし、「ヤドカリの仲間」という言葉は、「必ず貝殻を背負って生活する」という意味ではありません。

ヤドカリ類にはさまざまな姿や生活様式を持つ生き物が含まれます。タラバガニは大きく発達した硬い体を持っており、私たちが海岸で見る一般的なヤドカリのように、巻き貝の殻へ体を入れて生活する生き物ではありません。

そのため、タラバガニを単純に「ものすごく大きなヤドカリ」と考えるより、ヤドカリ類と分類上近い関係を持ちながら、カニのような姿をした甲殻類と理解するほうが適切です。

なぜ「タラバガニ」という名前なのか

分類上はヤドカリ類に近いのに、名前にはしっかり「ガニ」と付いています。

「タラバガニ」は漢字で「鱈場蟹」と書かれます。一般には、タラが獲れる漁場で見られたことに由来する名前とされています。

名前が付けられた時点での一般的な呼び方と、後に整理された生物分類が一致しないことはあります。

タラバガニも、見た目は大型のカニに似ており、食材としても「カニ」として扱われてきました。そのため、ヤドカリ類に近いことが分かっても「タラバガニ」という名前が使われています。

タラバガニに近い仲間にはアブラガニなどもいる

カニのような姿をしていながら、タラバガニと同じようにヤドカリ類に近いグループへ分類される種類は、タラバガニだけではありません。

代表的なものとして、アブラガニや花咲ガニなどが挙げられます。

特にアブラガニはタラバガニとよく似ており、見た目だけでは違いが分かりにくいことがあります。

ただし、タラバガニとアブラガニの違いは「ヤドカリかカニか」という問題ではありません。両方とも近いグループに属しており、甲羅や脚などの特徴から種類を見分けます。

具体的な見分け方や味、値段の違いについては、以下の記事で詳しく整理しています。

タラバガニがヤドカリの仲間でも購入を避ける理由にはならない

タラバガニ購入時に味や重量・加工状態などを確認するポイントを示した図解

タラバガニがヤドカリの仲間だと知ると、「それなら普通のカニを選んだほうがよいのでは」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、生物分類と、食材としての味・品質・価値は別の話です。

タラバガニを購入するかどうかは、「カニかヤドカリか」ではなく、食べたい味や食感、身のボリューム、商品形態、予算などから判断したほうが実用的です。

購入前に確認

  • ✓ ズワイガニと迷う場合は、味や食感の違いを比較する
  • ✓ 通販では、重量や加工状態などの商品条件を確認する
  • ✓ 送料などの販売条件もあわせて確認する
  • ✓ 「ヤドカリの仲間」という分類だけで購入可否を決めない

例えば、ズワイガニとの違いを知りたい場合には味や食感を比較し、通販商品を選ぶ場合には重量や加工状態、送料などの販売条件を確認する必要があります。

タラバガニを含め、どの種類のカニを購入するか迷っている場合は、以下の記事も参考にしてください。

タラバガニは生物分類上ヤドカリ類に近い仲間

タラバガニは、食材として一般に「カニ」と呼ばれていますが、生物分類上はズワイガニなどの一般的なカニとは異なり、ヤドカリ類に近い仲間です。

特に分かりやすい特徴が脚です。タラバガニは最後の1対の脚が小さく見えにくいため、外からはハサミを含めて8本しかないように見えます。この体のつくりも、一般的なカニとの違いを知る手がかりになります。

一方で、タラバガニはクモの仲間ではなく、ヤドカリの仲間だからといって一般的なヤドカリのように貝殻を背負って生活するわけでもありません。

また、「生物分類上は一般的なカニではない」ということと、「食材としてカニと呼ぶこと」は別問題です。ヤドカリ類に近いから偽物のカニということでも、味や品質が劣るということでもありません。

タラバガニの分類を理解したうえで、さらに足の本数やほかのカニとの違いを知りたい場合は、次の記事へ進むと整理しやすくなります。

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