【おせちの重箱の意味】段ごとの料理・五段重の由来をわかりやすく解説

おせちを重箱に詰めるのは、一般に「福を重ねる」「めでたさを重ねる」という願いを表すためとされています。おせち料理だけでなく、料理を入れる重箱そのものにも、新しい年の幸せが幾重にも続くようにという意味が込められているのです。

伝統的なおせちでは五段重が基本形の一つとされ、一の重から与の重まで料理を分けて詰めます。ただし、段ごとの料理や五の重の使い方には複数の考え方があり、地域や家庭によっても異なります。現代では、二段重や三段重も珍しくありません。

この記事では、おせちを重箱に入れる意味、重箱の段の名前、一の重から五の重までの基本的な役割をわかりやすく解説します。

先に結論

重箱には「福やめでたさを重ねる」という願いが込められているとされています。伝統的な五段重には段ごとの役割がありますが、料理の分け方は地域や家庭によって異なり、三段重や二段重でも問題ありません。

疑問 簡単な答え
なぜ重箱に詰める? 福やめでたさを重ねる願いを表すためとされています
おせちを入れる箱の名前は? 「重箱」または丁寧に「お重」と呼びます
伝統的な重箱は何段? 五段重が基本形の一つですが、現代では三段重なども一般的です
四段目の名前は? 「与の重」と呼ばれます
五の重には何を入れる? 空けておく考え方のほか、酢の物や控えの料理を入れる例もあります
七段重にも決まった意味がある? 五段重のように広く知られた固定の意味があるとは限りません

おせちを重箱に詰める意味は「めでたさを重ねる」ため

おせちを重箱に詰める理由として広く知られているのが、重箱を積み重ねる形に「福を重ねる」「めでたさを重ねる」という願いを重ねたという説明です。

おせち料理には、家族の健康、五穀豊穣、子孫繁栄など、新しい年への願いを表す料理が詰められます。その料理を何段にも重なる箱へ詰めることで、縁起のよいことが何度も重なるよう願ったと考えられています。

農林水産省の和食文化に関する解説でも、おせち料理は「福を重ねる」「めでたさが重なる」という意味を込め、重箱に詰めて重ねるようになったと紹介されています。

重箱には料理をまとめやすいという実用面もある

重箱には縁起上の意味だけでなく、料理を分けて盛り付けやすいという実用面もあります。

  • 料理の種類ごとに段を分けられる
  • 蓋をして料理を保護できる
  • 積み重ねることで食卓や保管場所を使いやすい
  • 箱ごと運んで、そのまま食卓へ出せる

ただし、重箱へ詰めれば必ず日持ちするわけではありません。保存方法や消費期限は料理ごとに異なるため、食品の状態や表示に従って管理する必要があります。

おせちを入れる箱の名前は「重箱」または「お重」

おせち料理を入れる箱の名前は「重箱(じゅうばこ)」です。会話では、丁寧な表現として「お重(おじゅう)」とも呼ばれます。

「おせち」と「重箱」は同じものではありません。

  • おせち:正月に用意する祝い料理
  • 重箱・お重:料理を詰める、重ねられる箱型の容器

そのため、重箱に入っていない料理でも、正月の祝い料理として用意されたものであれば、おせちと呼ばれる場合があります。現代では、重箱のほかに、一人分ずつ盛り付けた個食おせちや、皿へ盛り付けるワンプレートおせちなども見られます。

おせちの重箱は何段?五段重の基本的な考え方

伝統的なおせちの重詰めでは、五段重が基本形の一つとされています。上から順に、一の重、二の重、三の重、与の重、五の重と呼びます。

段ごとの見方

段ごとの料理は、五段重、三段重など重箱全体の段数によって変わります。以下の表は代表的な役割の一例であり、全国共通の固定された詰め方ではありません。

上からの順番 段の名前 読み方 主な役割の一例
1段目 一の重 いちのじゅう 祝い肴や口取り
2段目 二の重 にのじゅう 口取り、焼き物、酢の物など
3段目 三の重 さんのじゅう 焼き物、海の幸、酢の物など
4段目 与の重 よのじゅう 煮物や山の幸
5段目 五の重 ごのじゅう 空けておく、酢の物や控えの料理を入れるなど

段ごとの料理には複数の分け方があります。たとえば、二の重へ焼き物を入れる構成もあれば、二の重へ口取りや酢の物を入れる構成もあります。

どれか一つだけを全国共通の絶対的な決まりと考えるのではなく、地域、家庭、重箱の段数に合わせた代表的な分類として捉えるのが適切です。

一の重は重箱の一番上

一の重は、重箱を積み重ねたときの一番上にあたる段です。その下が二の重、三の重と続きます。

数字が大きい段から上へ重ねるのではないため、並べる順番を迷った場合は「一の重が最上段」と覚えておくとわかりやすいでしょう。

四段目を「与の重」と呼ぶ理由

五段重の四段目は、一般に「四の重」ではなく「与の重」と表記します。

これは、「四」の音が「死」を連想させることから、正月の祝い事では直接使用せず、同じ「よ」と読める「与」の字を当てたためと説明されています。

ただし、四という数字をすべての場面で避けるという意味ではありません。あくまで、おめでたい正月料理に用いる重箱の呼び方として伝わっている表現です。

五の重を空けるのは将来の福が入る余地を残すため

五の重については、料理を詰めずに空けておくという考え方があります。

空の段を残す理由は、現在ある料理や幸せだけで重箱を満たさず、これから授かる福が入る余地を残しておくためとされています。家族の繁栄や将来の幸せに備える、縁起を担いだ使い方です。

一方で、五の重へ酢の物を詰める構成や、料理が足りなくなったときの控えを入れる構成も伝えられています。「五段重なら五の重は必ず空箱にする」という一つの決まりだけがあるわけではありません。

一の重から与の重まで何を入れる?段ごとの料理

おせち料理は、祝い肴、口取り、焼き物、酢の物、煮物などに分けられます。五段重では、これらを種類ごとに分けて詰めるのが基本的な考え方です。

ただし、段ごとの料理は資料や地域によって異なるため、以下は代表的な分け方の一例として確認してください。

一の重には祝い肴や口取りを詰める

一の重には、正月祝いの中心となる祝い肴や、甘みのある口取りを詰める構成がよく知られています。

代表的な料理は次のとおりです。

  • 黒豆
  • 数の子
  • 田作り
  • たたきごぼう
  • 紅白かまぼこ
  • 伊達巻
  • 栗きんとん
  • 昆布巻き

祝い肴の内容には地域差があり、関東では黒豆、数の子、田作りを中心とし、関西では田作りの代わりにたたきごぼうを含める考え方もあります。

黒豆や数の子など、それぞれの料理に込められた願いは、【おせち料理の意味一覧】定番の具材・由来・願いをわかりやすく解説で確認できます。

二の重には焼き物や酢の物などを詰める

二の重には、鯛、ぶり、えびなどの焼き物を詰める分け方があります。魚介類を中心とすることから、「海の幸の重」と説明される場合もあります。

一方で、口取りや酢の物を二の重へ入れる構成もあります。特に五段重と三段重では、一つの段へまとめる料理の種類が変わるため、二の重の中身が常に同じとは限りません。

三の重の中身は重箱の段数や流儀によって異なる

三の重には、焼き物、酢の物、海の幸などを詰める構成があります。三段重の場合には、三の重を煮物の段とすることも多く、五段重とは役割が異なります。

「三の重には必ずこの料理を入れる」と覚えるよりも、重箱全体の段数によって料理の分け方が変わると考えた方が、実際のおせちを理解しやすくなります。

与の重には煮物や山の幸を詰める

与の重には、根菜類やいも類などを使った煮物を詰める構成がよく知られています。

  • れんこん
  • 里芋
  • たけのこ
  • ごぼう
  • にんじん
  • しいたけ
  • こんにゃく

複数の食材を一緒に煮る煮しめには、家族が仲良く結ばれることを願う説明もあります。具材ごとにも異なる意味がありますが、本記事では段の役割を中心に扱います。

段ごとの料理は地域や家庭によって違う

段ごとの料理は、全国で完全に統一されているわけではありません。

違いが生じる主な理由には、次のようなものがあります。

  • 地域によって祝い肴や定番料理が異なる
  • 五段重、四段重、三段重で料理のまとめ方が変わる
  • 家庭に伝わる詰め方がある
  • 購入したおせちでは、料理の種類や商品設計に合わせて配置される
  • 和風、洋風、和洋中など、おせちの内容が多様化している

伝統的な分類を参考にしながら、用意した料理と重箱の段数に合わせて調整しても差し支えありません。

実際に料理を詰める順番、向き、仕切り方については、【おせちの詰め方とルール】重箱の段ごとの料理・向きをわかりやすく解説で詳しく解説しています。

現代のおせちは三段重でも問題ない?

現代のおせちでは、五段重だけでなく三段重や二段重も広く利用されています。段数が少ないからといって、直ちに縁起が悪くなったり、おせちではなくなったりするわけではありません。

重箱を選ぶときの基準

  • ✓ 食べる人数と料理量に合っているか
  • ✓ 用意する料理を無理なく分けられる段数か
  • ✓ 伝統的な分類だけでなく、家庭の好みに合っているか
  • ✓ 市販品の場合は、各段の料理内容を確認したか

三段重では、五段重の料理分類を次のようにまとめる例があります。

主な料理のまとめ方の一例
一の重 祝い肴、口取り
二の重 焼き物、酢の物
三の重 煮物

この分け方も絶対的なものではありません。祝い肴と口取りの量、魚介類や肉料理の品数、家族が好む料理などに合わせて調整できます。

重箱を選ぶときは、伝統的な段数だけでなく、食べる人数や料理量も重要です。6.5寸、7寸、8寸などの大きさと人数の目安は、【おせちの重箱サイズ】6.5寸・7寸・8寸・9寸は何人前か解説で確認してください。

おせちの七段重には特別な意味がある?

七段重は、五段重のように広く知られた伝統的な基本構成として、各段の役割が一律に決まっているとは限りません。

七段のおせちを見かけた場合は、次のような可能性を分けて考える必要があります。

  • 料理の品数が多いため、七段に分けている
  • 大人数向けの商品として段数を増やしている
  • 祝いの数字として「七」を商品設計に取り入れている
  • 地域、店舗、料理人独自の構成を採用している

七段すべてに全国共通の固定された意味があると判断せず、特定の商品については販売元が示している段ごとの説明を確認しましょう。

重箱の意味を知って自分に合う形でおせちを用意しよう

おせちを重箱に詰めるのは、一般に「福を重ねる」「めでたさを重ねる」という願いを表すためとされています。

伝統的な五段重では、一の重から与の重まで料理を分類し、五の重を空けて将来の福が入る余地を残すという考え方があります。ただし、五の重へ酢の物や控えの料理を入れる例もあり、段ごとの中身は地域や家庭によって異なります。

現代では三段重や二段重も利用されているため、形式だけにこだわりすぎる必要はありません。重箱に込められた意味を大切にしながら、人数、料理量、家庭の好みに合う形で新年の食卓を整えましょう。

重箱の意味を確認した後は、次の記事も参考にしてください。

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