手作りおせちは、品数が少なくても、器・色・高さ・飾り・余白を整えることで華やかに見せられます。
たくさんの料理を無理に作るよりも、用意した料理を小さなまとまりに分け、同じ色が固まらないように配置することが大切です。小鉢で高さを作り、飾りを数種類に絞るだけでも、食卓全体に統一感が生まれます。
この記事では、料理のレシピではなく、手作りおせちをおしゃれに見せるための盛り付け方を解説します。3品・5品・9品の配置例や、重箱、大皿、豆皿を使うときの考え方も紹介するので、用意できる品数に合わせて取り入れてください。
先に結論
少ない品数のおせちは、料理を増やすよりも、器の統一感、色の配置、高低差、飾りの量、余白の取り方を整える方が華やかに見せやすくなります。
| 盛り付けの悩み | 整えるポイント |
|---|---|
| 品数が少なく寂しく見える | 料理を散らさず、小鉢や仕切りでまとまりを作る |
| 煮物が多く地味に見える | 同じ色を離し、器や添え物で明暗をつける |
| 全体が平らに見える | 小鉢や重ね盛りで高低差をつける |
| 器がばらばらに見える | 色、形、素材のうち一つをそろえる |
| 隙間が気になる | すべてを埋めず、料理を引き立てる余白として残す |
| 飾りが多く雑然とする | 飾りの種類を絞り、同じものを数か所に繰り返す |
手作りおせちは少ない品数でもおしゃれに盛り付けられる
おせちを華やかに見せるために、重箱いっぱいの料理を用意する必要はありません。少ない品数でも、料理の置き方に意図が感じられれば、整った印象になります。
反対に、料理の数が多くても、色や器がばらばらで、すべて同じ高さに並んでいると、まとまりがなく見えることがあります。
最初に意識したいのは、次の5点です。
- 器の色や素材をそろえる
- 同じ色の料理を離して置く
- 小鉢や重ね盛りで高さを作る
- 飾りの種類を増やしすぎない
- 料理が引き立つ余白を残す
正式な重箱の使い方や、段ごとに入れる料理を確認したい場合は、先に【おせちの詰め方とルール】重箱の段ごとの料理・向きをわかりやすく解説を確認すると、基本を押さえたうえで盛り付けを考えやすくなります。
手作りおせちを華やかに見せる5つのコツ
器の色と素材をそろえる
料理を盛る器は、すべて同じ種類である必要はありません。ただし、色、形、素材のすべてが異なると、食卓が散らかったように見えやすくなります。
複数の器を使う場合は、次のうち一つをそろえると統一感を作りやすくなります。
- 白い器でそろえる
- 黒や濃い色の器を中心にする
- 木製の盆や重箱にまとめる
- 丸い豆皿で形をそろえる
- 同じ柄や縁取りの器を使う
白い器は黒豆や煮物など濃い色の料理が見えやすく、黒い器はかまぼこ、なます、栗きんとんなど明るい色の料理を引き立てやすい傾向があります。
ただし、器の色だけで印象が決まるわけではありません。料理の色との組み合わせを見ながら、背景と料理が同化しない器を選ぶことが大切です。
同じ色の料理を離して配置する
おせちは、煮物や焼き物など、茶色や黄色を基調とした料理が多くなりやすいものです。同じ色の料理を一か所にまとめると、品数があっても単調に見えることがあります。
盛り付ける前に料理を並べ、色の分布を確認してみましょう。
- 黒豆と昆布巻きなど濃い色の料理を離す
- 伊達巻と栗きんとんなど黄色い料理を隣り合わせにしない
- 紅白かまぼこやなますなど明るい色を数か所に分ける
- 緑色の葉物や飾りを一か所だけに集中させない
赤、黄、緑などの色が足りない場合も、彩りのためだけに新しい料理を増やす必要はありません。料理に合う器や、食品に使用できる飾りを活用する方法があります。
なお、葉物や飾りを料理に直接触れさせる場合は、食品への使用が想定されたものか確認してください。観賞用の植物や装飾品を、確認せず料理に使用するのは避けましょう。
小鉢や重ね盛りで高さを作る
料理をすべて平らに置くと、上から見たときに単調になりやすく、横から見ても奥行きが感じられません。小鉢や重ね盛りを使い、数か所に高さを作ると立体的に見せやすくなります。
高さを作る方法には、次のようなものがあります。
- 黒豆、なます、酢の物などを小鉢に入れる
- 伊達巻やかまぼこを少しずつ重ねる
- 奥側に高さのある料理を置く
- 手前には低く盛った料理を配置する
- 重箱の中に小さな器を入れる
すべての料理を高くする必要はありません。一つか二つの場所に高さがあるだけでも、全体に変化が生まれます。
重箱の奥側を高くする場合は、ふたが閉まる高さに収めることも忘れないようにしましょう。
飾りは種類を絞って繰り返す
お正月らしい飾りを増やせば華やかになるとは限りません。異なる柄のピック、飾り葉、敷き紙、水引などを一度に使うと、料理より装飾が目立つことがあります。
飾りは一つか二つの種類に絞り、同じものを数か所に繰り返して使うと、全体をまとめやすくなります。
例えば、次のような組み合わせが考えられます。
- 赤い飾りを数か所に少量ずつ置く
- 同じ形の葉物を重箱の角に配置する
- 飾り切りを一種類だけ取り入れる
- 同じ色の敷き紙を各段に使う
飾り切りも、複数の食材で行う必要はありません。れんこんやにんじんなど、一つの料理に取り入れるだけでも、お正月らしい印象を作れます。
飾りに意味や作法があると説明する場合は、由来を確認できるものに限定し、見た目の工夫と伝統的な決まりを混同しないことが大切です。
余白を残して料理を引き立てる
少ない品数を盛り付けるときは、空いた場所をすべて埋めたくなります。しかし、料理や飾りを詰め込みすぎると、それぞれの形や色が分かりにくくなります。
余白は、料理が足りないことを示す空間ではありません。料理同士を区切り、主役を見つけやすくするための空間として使えます。
ただし、大きすぎる器の中央に少量を散らすと、余白ではなく寂しさが目立ちます。料理を広く散らすのではなく、小さなまとまりに寄せて配置しましょう。
- 料理を皿の中央にばらばらに散らさない
- 二つか三つのまとまりに分ける
- 主役の周囲には少し広めの空間を残す
- 皿の端まで均等に埋めようとしない
- 空いた場所を飾りだけで埋めない
3品・5品・9品のおせちをおしゃれに見せる配置例
おせちの品数に、今回紹介する配置が正式な決まりとしてあるわけではありません。ここでは、少ない品数でも全体をまとめやすくするための配置例として紹介します。
配置のポイント
- ✓ 品数が少ないほど、料理を広く散らさず中央寄りにまとめる
- ✓ 主役となる料理を一つ決め、ほかの料理との大きさに差をつける
- ✓ 同じ色や同じ高さの料理が続かないように配置する
| 品数 | 基本の考え方 | 盛り付けのポイント |
|---|---|---|
| 3品 | 主役1品と副菜2品に分ける | 三角形を意識し、一つを小鉢に入れて高さを作る |
| 5品 | 中央または奥に主役を置く | 同じ色を離し、二つ程度を小鉢に分ける |
| 9品 | 3つずつのまとまりを作る | 同じ形の器を使い、色が偏らないように並べる |
3品は主役を決めて三角形にまとめる
3品の場合は、料理を一直線に並べるより、三角形を意識して配置するとまとまりを作りやすくなります。
例えば、奥に主役となる焼き物やえびを置き、手前の左右に色の異なる副菜を配置します。そのうち一つを小鉢に入れると、高さの違いも生まれます。
- 奥:主役となる料理
- 手前左:明るい色の副菜
- 手前右:濃い色の副菜を入れた小鉢
料理を大きな皿の端まで広げず、中央寄りに小さなまとまりとして配置することがポイントです。
5品は中央と四方に役割を分ける
5品の場合は、中央または奥に主役を置き、その周囲に4品を配置すると全体の役割が分かりやすくなります。
黄色い料理が二つある場合は、左右や対角線上に離して置きます。汁気のある料理は小鉢に入れ、平らな料理と高さを変えると単調になりにくくなります。
すべての料理を同じ量にそろえる必要はありません。主役はやや大きく、副菜は一口分ずつまとめると、視線が集まる場所を作れます。
9品は3つずつのまとまりを作る
9品ある場合は、3×3の区画を意識すると整理しやすくなります。豆皿や小鉢を使う場合は、同じ形や同系色の器をそろえると、料理の種類が多くてもまとまりやすくなります。
配置するときは、黒や茶色などの濃い料理、黄色い料理、赤や白の明るい料理が一列に固まらないように入れ替えます。
ただし、9品という数だけを基準に、正式なおせちの内容や詰め方を決めることはできません。重箱に入れる料理の基本や向きを知りたい場合は、次の記事で詳しく確認できます。
重箱・大皿・豆皿で盛り付け方を変える
同じ料理でも、器によって適した並べ方は異なります。用意した料理の量や、食べる人数、食卓の広さに合わせて選びましょう。
器選びの基準
- ✓ 料理をまとめて見せたい場合は重箱
- ✓ 食卓の中央に置く場合は大皿や半月盆
- ✓ 少ない品数を一品ずつ見せる場合は豆皿や小鉢
- ✓ 一人分ずつ取り分ける場合はワンプレート
| 器 | 向いている場面 | 盛り付けのポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 重箱 | 料理をまとめて見せたいとき | 小鉢や仕切りで小さな区画を作る | 大きすぎる重箱は隙間が目立ちやすい |
| 大皿・半月盆 | 食卓の中央に置きたいとき | 主役を決め、料理を数か所にまとめる | 少量を全面に散らさない |
| 豆皿・小鉢 | 少ない品数を一品ずつ見せたいとき | 色、形、素材のどれかをそろえる | 器の種類を増やしすぎない |
| ワンプレート | 一人分ずつ取り分けたいとき | 小鉢を使い、料理同士を区切る | 汁気や一人分の量を調整する |
重箱は小鉢と仕切りで空間を区切る
料理の量に対して重箱が大きい場合、隙間を料理だけで埋めようとすると、予定より多く作る必要が出てきます。
そのようなときは、小鉢や仕切りを使って重箱の中を小さな区画に分けましょう。一つの大きな隙間を残すより、料理ごとにまとまりを作る方が整って見えます。
重箱のサイズそのものが料理量に合っていない場合は、盛り付けだけで調整するのが難しいこともあります。人数や料理量に合う寸数を確認したい場合は、【おせちの重箱サイズ】6.5寸・7寸・8寸・9寸は何人前か解説も参考にしてください。
大皿や半月盆は主役と重心を決める
大皿や半月盆に盛る場合は、料理を皿全体へ均等に散らすよりも、視線を集める場所を決めることが大切です。
高さのある料理や大きな料理を奥側に置き、手前には低い料理を配置します。左右どちらかへ少し重心を寄せ、反対側に余白を残す方法もあります。
主役を中央に置く場合は、周囲の副菜を同じ間隔で並べすぎると硬い印象になることがあります。少し位置をずらしながら、小さなまとまりを作りましょう。
豆皿や小鉢は色か素材を統一する
豆皿や小鉢は、一品ずつ料理を分けられるため、品数が少ない場合にも使いやすい器です。汁気のある料理と乾いた料理を分けられる利点もあります。
一方で、器の柄や形がすべて異なると、料理より器の印象が強くなります。次のような基準で統一感を作りましょう。
- すべて白い器にする
- 丸い豆皿を中心にする
- 木製の盆の上にまとめる
- 器の柄を一種類に絞る
- 差し色として使う器を一つだけ決める
プレートで簡単に盛るなら一人分ずつまとめる
重箱を使わず、一人分ずつ一枚のプレートに盛る方法もあります。人数分をあらかじめ分けておけるため、取り分ける手間を減らしやすい盛り付け方です。
ただし、ワンプレートでは一人分の量、料理同士の間隔、汁気の移りにくさまで考える必要があります。具体的な配置や食器の選び方は、【ワンプレートおせちの盛り付け方】簡単でおしゃれに見せるコツを解説で詳しく解説しています。
手作りおせちが地味・雑然として見える原因
料理を大きすぎる器に散らしている
少ない料理を大きな器の全面に広げると、一品ごとの量が少なく見えやすくなります。
料理を中央寄りにまとめる、小鉢を使う、器を一回り小さくするなどして、料理と器の大きさを合わせましょう。
同じ色の料理をまとめている
黒豆と昆布巻き、伊達巻と栗きんとんのように、近い色の料理が隣り合うと、それぞれの形が目立ちにくくなります。
盛り付ける前に料理を仮置きし、同じ色が一か所に固まっていないか確認すると修正しやすくなります。
すべて同じ高さで並べている
同じ高さの料理だけを横に並べると、平面的に見えます。一品を小鉢に入れる、料理を少し重ねる、奥側を高くするなど、数か所に高低差をつけましょう。
器や飾りのテイストがそろっていない
和柄の重箱、洋風のプレート、色の強い小鉢、複数の飾りを一度に使うと、どこを見ればよいか分かりにくくなります。
「白い器と木製の盆」「黒い重箱と赤い飾り」のように、中心となる組み合わせを決めるとまとまりやすくなります。
空いた場所をすべて埋めている
隙間に小さな料理や飾りを足し続けると、料理同士の境界が分かりにくくなります。空間を残す場所と、料理をまとめる場所を分けましょう。
余白が広すぎて寂しく見える場合は、料理を追加する前に、器の大きさや料理のまとまり方を見直す方法があります。
全部を手作りしなくても統一感は作れる
手作りおせちという言葉から、すべての料理を自宅で作らなければならないと考える必要はありません。作りたい料理だけを手作りし、かまぼこ、伊達巻、黒豆などを市販品から選ぶ方法もあります。
手作り品と市販品を組み合わせる場合は、購入時の容器のまま並べるのではなく、同じ器や重箱に移すと全体をまとめやすくなります。
- 一品ごとの盛り付け量をそろえる
- 市販品も同じ器へ移す
- 切り方や並べる向きをそろえる
- 共通する飾りを少量だけ使う
- 手作り品と市販品の色が偏らないように配置する
手作りする時間や品数をさらに減らしたい場合は、市販のおせちを中心にして、好きな料理だけを追加する選択肢もあります。通販おせちやカニ通販の情報は、おせち・かに通販の総合案内から確認できます。
盛り付け前に確認したいチェックポイント
料理を器へ移す前に、全体の色と量を一度確認しておくと、盛り付け直しを減らせます。
- 料理量に対して器が大きすぎないか
- 主役として見せたい料理が決まっているか
- 同じ色の料理が一か所に偏っていないか
- 小鉢や重ね盛りで高さを作れているか
- 汁気のある料理を別の器に分けたか
- 飾りの種類を増やしすぎていないか
- 空いた場所をすべて埋めようとしていないか
- 料理より器や飾りが目立っていないか
- ふたをする場合は料理が高くなりすぎていないか
写真に残す予定がある場合は、食卓に置いた状態を一度離れて確認してみましょう。真上から見た配置だけでなく、実際に座る位置から主役が見えるかも確認すると、食卓全体を整えやすくなります。
少ない品数でも器・色・高さ・余白を整えれば華やかに見える
手作りおせちをおしゃれに見せるために、品数を無理に増やす必要はありません。
器の色や素材をそろえ、同じ色の料理を離し、小鉢で高さを作ることから始めてみましょう。飾りは種類を絞り、すべての隙間を埋めずに余白を残すと、少ない料理でも一品ずつを見せやすくなります。
3品なら主役を決めて三角形にまとめ、5品なら中央と周囲に役割を分け、9品なら3つずつのまとまりを作る方法があります。いずれも正式な決まりではなく、用意した料理を整えて見せるための配置例です。
重箱の正式な詰め方、一人分のワンプレート、人数に合う重箱サイズについては、それぞれの記事で確認してください。

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